水沢寺（読み）みずさわでら

日本歴史地名大系

水沢寺
みずさわでら

• 群馬県：北群馬郡
• 伊香保町
• 水沢村
• 水沢寺

[現在地名]伊香保町水沢

浅間（せんげん）山（水沢山）の東麓にあり、五徳山無量院と号し天台宗。本尊は千手観音。同観音は坂東三十三ヵ所一六番札所水沢観音として知られ、多くの参詣者を集めた。近世、同観音（堂）の別当寺で、慶安二年（一六四九）以来二五石（観音領五石七斗余）の朱印地を与えられている（「徳川家光朱印状写」水沢寺文書）。伝えでは尊秀（伝燈大師）を開基、開山は高麗渡来の恵灌というが詳細は不明。赤木文庫本「神道集」（伊香保大明神事）は高光中将なる者の遺骨を伊香保山（榛名山）の東麓「岩滝沢ノ北ノ岸、梨牛(手)ト云小沢」に埋め寺を建て弔い、やがて同寺は寺房三〇〇を超える大寺となり水沢寺と称するようになったが戦禍に遭って焼失したと記す。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」