デジタル大辞泉
「水火」の意味・読み・例文・類語
すい‐か〔‐クワ〕【水火】
1 水と火。洪水と火事。「水火の災い」
2 洪水や火事のように、勢いが激しいこと。「水火の責め苦」
3 水におぼれ、火に焼かれるような苦しみ。「水火をいとわない」
4 水と火のように、互いに相容れないこと。氷炭。「水火の仲」
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すい‐か ‥クヮ【水火】
〘名〙
① 水と火。五行思想でいう万物組成の
元素の中の二つの水と火。
※
徒然草(1331頃)二〇五「また法令
(はふりゃう)には、水火に穢を立てず、入物には穢あるべし」 〔易経‐下経〕
② 水に溺れ火に焼かれる苦痛。また、そのようなひどい苦しみ。
※延喜式(927)二八「凡武芸優長。性志耿介。不レ問二水火一。必達レ所レ向。勿レ顧二死生一。一以当レ百者。並給二別祿一」
※うもれ木(1892)〈樋口一葉〉七「兄弟と思ふ君の事、水火
(スヰクヮ)の中にも手を携へたきが願ひ」 〔
孟子‐梁恵王・上〕
③ 互いに相いれないもの。相反すること。また、非常に仲が悪いことのたとえ。水火氷炭。氷炭。
※六百番陳状(1193頃)春「人々の異儀も水火なり」
※日蓮遺文‐報恩鈔(1276)「
経文と世間とは水火なり」 〔蜀志‐魏廷伝〕
④ 日常生活に欠かせない、この上なく必要なもののたとえ。
※玉葉‐仁安三年(1168)正月一六日「而今亜相、伝二故実一之人也、然而全不レ当レ笏、已水火作法也」 〔論語‐衛霊公〕
⑤ 洪水と火災。また、そのように勢いの激しいことのたとえ。
※談義本・労四狂(1747)上「水火
(スイクヮ)の難はげしといへども、水火よりも甚しきもの、親族朋友の為〈略〉時と事とによって難を受る事有り」 〔
春秋左伝‐昭公一三年〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「水火」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報