水盤(読み)スイバン

デジタル大辞泉 「水盤」の意味・読み・例文・類語

すい‐ばん【水盤】

底の浅い平らな陶製または金属製の花器楕円形長方形のものが多く、盛り花盆栽盆景などに使用される。 夏》
[類語]花器花生け花入れ花立て花瓶一輪挿し剣山

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精選版 日本国語大辞典 「水盤」の意味・読み・例文・類語

すい‐ばん【水盤】

〘名〙
① 底の浅い平らな陶器、または金属製の器。水を入れて盆石生け花などに用いる。水盆。《季・夏》
和漢三才図会(1712)四七「田螺 〈略〉土人取之養於水盤
舞姫(1906)〈与謝野晶子〉「妹が間は床の瑪瑙の水盤にべにばす咲きぬ七月七日」
懸樋などによって屋外から水を引いた台所
秋山記行(1831)一「秋山の風に土足洗はねば衣類も穢る故、水盤に行に、筵のうへを泥足ながら爪立行て、洗足して家内を見渡す」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水盤」の意味・わかりやすい解説

水盤
すいばん

いけ花で使われる花器の一種で、底の浅い平らな盤で盛り花に用いる。小竹の筒を沈めて、その筒に草木花をいけた「水鉢」「水盆」といったものから始まるが、広範に水盤として普及したのは、明治末、小原(おはら)雲心が盆栽・盆景の水盤を花器に使うことを思い付き、洋花も取り入れての自然描写的な盛り花を創始して以来で、盛り花の流行とともに各流でこれを用いるようになった。材質は陶磁、ガラスなどで形、色ともに種類が多い。花器としての水盤の発達から、現在は花器に穴をあけて盆栽に使用する場合も多い。

[北條明直]

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世界大百科事典(旧版)内の水盤の言及

【手水鉢】より

…水をためておく水穴は,浅い半球形のものが多く,楕円形,角形のものもある。 なお,寺社の手水鉢は水盤(すいばん)とも呼ばれ,四方吹放ちの建物に据えられることが多く,建物を手水屋,水盤舎などと呼ぶ。また皇居清涼殿朝餉間(あさがれいのま)に北接して,天皇が手水を進める場所として手水の間があった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」