水蝋虫(読み)いぼたのむし

精選版 日本国語大辞典 「水蝋虫」の意味・読み・例文・類語

いぼた‐の‐むし【水蝋虫】

〘名〙 イボタガ幼虫体長約六センチメートル。薄緑色の芋虫状で、四、五月頃現われ、イボタノキモクセイヤナギなどの葉を食害する。古くから肺病と疳(かん)の薬として民間に知られる。《季・夏》
最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉一七「マムシ干物イボタの虫(ムシ)、籠り蟹、天狗の梅(珍稀なる植物の名)〈略〉等山海の遺珍を駢べて」

いぼたろう‐むし いぼたラフ‥【水蝋虫】

〘名〙 カタカイガラムシ科の昆虫。体長二、三ミリメートルで、イボタノキ、ネズミモチなどの樹皮寄生。幼虫の雄は群生して綿状の蝋質物(いぼた蝋)を分泌する。この蝋質物は、昔から障子や襖(ふすま)敷居に塗って滑りをよくするのに使われた。日本、中国ヨーロッパ分布。いぼたむし。いぼたかいがらむし。《季・夏》

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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