出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
測定しようとする熱量を氷の融解潜熱を利用して定量化する装置。氷の融解潜熱は既知であり、どれだけの量の状態変化(融解)を引き起こしたかによって与えられた熱量を測定できる。断熱状態で熱平衡にある氷と水の混合物に熱を与えると、氷が融解して混合物全体の体積が減少する。その量は熱量1キロカロリー(4.184キロジュール)当り1.137立方センチメートルであることが知られているので、この体積減少量を測定することにより、与えられた熱量を求めることができる。
下部は水銀に接し、容器中の体積変化は毛細管中に導いた水銀糸の端の移動によって測定される。水の一部をあらかじめ凍らせておき、試料を入れたときの融解による水銀糸の移動量から熱量を求める。
はブンゼンによって考案された氷熱量計を模式的に示したもので、試料は水を満たしたガラス容器で囲まれる構造となっており、指示部を除く全体が氷点槽に納められて外部から断熱される。水の[三井清人]
…(2)潜熱のわかっている物質の質量あるいは体積変化から測定するもの。これには氷熱量計,蒸気熱量計がある。 (1)では温度変化の測定が重要な問題で,ベックマン温度計,抵抗温度計などの精密級温度計が用いられる。…
※「氷熱量計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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