永久劣後債(読み)えいきゅうれつごさい(英語表記)Perpetual Subordinated Debt

百科事典マイペディア 「永久劣後債」の意味・わかりやすい解説

永久劣後債【えいきゅうれつごさい】

社債発行企業が倒産した場合,優先株普通株よりも優先するが,債務の弁済順位が通常の無担保社債より低いものを劣後債といい,さらに返済期限がないものを永久劣後債という。BIS(国際決済銀行)の自己資本比率規制(銀行の自己資本比率を8%以上に)では,永久劣後債が自己資本の補完的項目として算入が認められてから注目されるようになった。1992年,自己資本の充実を要求されている都市銀行には,バブル崩壊後の不良債権増加,株価下落による有価証券含み益の減少を補うため,永久劣後債の発行が認められた。

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知恵蔵mini 「永久劣後債」の解説

永久劣後債

発行体が倒産・精算した際の債務弁済順位が、他の債務より低い債権(劣後債)であり、かつ償還期限の定めがないもののこと。一般債務の返済が終わった後に、返済が要求される債権であるため自己資本的性質が強く、銀行監督上適用される自己資本規制(BIS規制)でも資本として認められるため、銀行などの金融機関が自己資本充実などのため発行することが多くなっている。また投資家にとっては、通常の債権より利回りが高く設定され、有期債と比べ高いクーポンレート(表面利率)がついているためメリットがある。ただし発行体は永久劣後債の随時償還を行うことが慣例となっており、定められた償還日に償還(コール)されないこともあるなどリスクも伴う。

(2014-10-20)

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