永楽町(読み)えいらくちよう

日本歴史地名大系 「永楽町」の解説

永楽町
えいらくちよう

中京区寺町通三条下ル西側

南北に通る寺町てらまち(旧東京極大路)に面する片側町。町の南側六角ろつかく通。

平安京条坊では、ほぼ東京極大路上、平安中期以降は三条東京極大路の南にあたる。

長元八年(一〇三五)五月二日の秦吉子解(九条家本「延喜式」裏文書)に、

<資料は省略されています>

とあり、一一世紀中頃三条京極の当町辺りで材木の榑の交易が行われていた。

「今昔物語集」巻二九「不被知人女盗人語」の中に「女、かぎヲ一ツ取出テ男ニ教ヘテ云ク、此レ、六角ヨリハ北、□ヨリハ□ニ、然云ハム所ニ持行テ、其ニ蔵何ツ有ラム、其ノ蔵ノ其方ナルヲ開テ、目ニ付カム物ヲ吉クしたた メ結ハセテ、其ノ辺ニハ車借くるまかしト云フ者あまた 有リ、其レヲ呼セテ積テ持来、トテ遣シタリケレバ」とあり、鴨川西岸と六角京極などに運送業者の倉庫が建並び、あまたの「車借」がいたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報