江戸千代紙(読み)えどちよがみ

日本文化いろは事典 「江戸千代紙」の解説

江戸千代紙

江戸千代紙とは、江戸でつくった千代紙のことです。元々千代紙は京都原産地であり、江戸は後発地です。しかし、町人社会の発展にともない需要が多く、また浮世絵版画の木版摺りの技術が普及していたため、江戸の千代紙作りは京都をしのぎ多彩に展開しました。江戸千代紙は江戸の風土に根ざした粋なデザインが多いことが特徴です。歌舞伎などの芝居を元に作られた、歌舞伎十八番隈取り・役者紋づくし・定引縞など、華美な色使いで鑑賞的なものが目立ちます。

出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の江戸千代紙の言及

【千代紙】より

…語源については,初期に鶴亀,宝尽しなどめでたい図柄が多かったためという説のほか諸説ある。江戸では京千代紙が早くから売られていたが,明和(1764‐72)以降の錦絵の興隆にともない,木版技術が発達し,また浮世絵師たちが競って下絵をかいたため,江戸千代紙が京千代紙を追いこして江戸名物となり,地方へのみやげ物にもなった。現在でも千代紙には京千代紙,江戸千代紙の二つの流れがあり,京千代紙にはおとなしい図柄が多いのに比べ,江戸千代紙には自由奔放なものが目だつ。…

※「江戸千代紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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