江戸紫に京鹿子(読み)えどむらさきにきょうがのこ

精選版 日本国語大辞典 「江戸紫に京鹿子」の意味・読み・例文・類語

えどむらさき【江戸紫】 に 京鹿子(きょうがのこ)

江戸時代に東西両都の染色特長をいう語。紫は江戸、鹿の子しぼりは京を第一とするの意。
随筆守貞漫稿(1837‐53)一七「紅染は京の名産、紫は江戸の銘物とす。故に諺にも江戸紫京鹿子と云」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「江戸紫に京鹿子」の意味・わかりやすい解説

江戸紫に京鹿子
えどむらさきにきょうがのこ

江戸と京都の代表的な染物を対比させて、江戸と上方(かみがた)の好みや流行の違いを言い表したことば。「江戸紫に京紅(べに)」という言い方もある。紫は江戸、鹿の子絞りは京都のものを第一とするというほどの意。江戸紫は、古代紫のやや黒ずんだ紫色に対し、藍(あい)色がかった明るい色をしていて、杉田仙蔵なる者が南部産の原料を自ら栽培し、苦心のすえ考案、完成した染めであり、京鹿子は地色に白い斑点(はんてん)模様を絞り出した絹染めをいう。

[宇田敏彦]

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