決闘を行うことやこれに関与する罪。刑法第2編第27章に規定された「傷害の罪」の特別罪で、「決闘罪ニ関スル件」(明治22年12月30日法律第34号)という古い法律に規定されている。同法は、1888年(明治21)に起きた犬養毅(いぬかいつよし)(当時は新聞記者)に対する決闘申込事件を契機として制定され、決闘を挑んだり、これに応じること、決闘を行うこと、他人の決闘に立ち会ったり、そのための場所を貸与・供用すること、などを広く処罰している。判例によれば、「決闘」とは、「当事者間の合意により相互に身体又は生命を害すべき暴行をもって争闘する行為」を意味する。判例のなかには、暴走族の間での抗争等に関連して、「タイマン」と称する一対一の喧嘩(けんか)、すなわち、双方から一人ずつ代表を出し合って行う闘争に対して適用したものがある。
[名和鐵郎]
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…19世紀になると致命傷を与えないことが多くなり,また刑法上の罪とされるようになったが,軍人の決闘は例えばドイツ陸軍のように第1次世界大戦まで認められていた例があるし,またドイツ学生団体では勇気を誇示する手段として20世紀に入ってもこの風習をもっていた。【渡辺 昌美】
[決闘罪]
現行の日本の刑法典には決闘罪の規定はないが,1889年公布の〈決闘罪ニ関スル件〉という別の法律があって,決闘挑応罪,すなわち,決闘を申し込みまたはこれに応ずる行為(刑は6ヵ月以上2年以下の懲役)をはじめ,実際に決闘をすること(刑は2年以上5年以下の懲役),決闘の立会人になること,場所を提供すること(刑はともに1ヵ月以上1年以下の懲役)などを罰している。あまり使われてはいないが,暴力団員同士の果し合いなどに適用されている場合もある。…
※「決闘罪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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