沖合(読み)オキアイ

デジタル大辞泉 「沖合」の意味・読み・例文・類語

おき‐あい〔‐あひ〕【沖合】

沖のほう。沖の辺り。
[類語]

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「沖合」の意味・読み・例文・類語

おき‐あい‥あひ【沖合】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 海、湖などの沖のほう。
    1. [初出の実例]「舟は〈略〉間もなく広々とした沖合(オキアヒ)に出た」(出典少年悲哀(1902)〈国木田独歩〉)
  3. 房総地方で、数隻の漁船を使って操業する大きな網漁業の漁労指揮者。おっけい。おつけどん。
    1. [初出の実例]「一沖合、水主乗組之儀、無謂高金出し乗組為致申間敷候」(出典:上総海上郡網方諸事取極証文控‐寛政七年(1795)三月)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「沖合」の意味・わかりやすい解説

沖合 (おきあい)

各漁村の地先漁場外側に隣接した海域をいう。近世に入ると,各海村は,村限りの前浜を占取し,ここを自村の独占的漁場として用益するようになり,この伝統は,明治時代に入ってからも,また現在に至ってもなお基本的に受け継がれている。これに対し,沖合は,数村入会あるいは勝手次第の漁場として,地先漁場とは異なった存在であった。日本の場合,船の航法は,近代に入るまで,長くヤマアテあるいはヤマダシなどと呼ばれる陸の山や岬を目じるしとして位置を確定する方法が用いられていたため,沖合といえども,ヤマアテが可能な範囲での距離内に限定され,陸影海没地点から先のヤマナシの海へ沖合漁場が拡大されるようになるのは,ずっと以後のことになる。沖合での伝統的漁業としては,太平洋側に広範にみられるカツオの一本釣漁などが代表的なものであろう。漁業の上では,沿岸(地先)漁業に対し沖合漁業という慣習的用語があるが,両者を区分する厳密な基準はない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android