沢渡(読み)さわたり

精選版 日本国語大辞典 「沢渡」の意味・読み・例文・類語

さわたり【沢渡】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 狸の脚の肉のこと。美味とされた。
    1. [初出の実例]「干鹿。干江豚。豕焼皮。熊掌。狸沢渡。猿木取。鳥醤。蟹味噌。海鼠膓」(出典:庭訓往来(1394‐1428頃))
  3. 語義未詳。
    1. [初出の実例]「左和多里(サワタリ)の手児(てご)にい行き逢ひ赤駒が足掻(あがき)を速み言問(ことと)はず来ぬ」(出典:万葉集(8C後)一四・三五四〇)

沢渡の補助注記

については、( イ )動詞「さわたる(━渡)」の連用形の名詞化で、川瀬の渡り場の意とする説、( ロ )地名(群馬県、福島県など)とする説など諸説ある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「沢渡」の意味・わかりやすい解説

沢渡[温泉] (さわたり)

群馬県北部,吾妻(あがつま)郡中之条町の中部にある温泉。セッコウ硫化水素泉,56℃。上沢渡川沿いの標高700mの台地上にある閑静な保養向きの温泉で,草津温泉から四万(しま)温泉に至る旧草津街道に沿い,古くから草津の湯だれをなおす〈仕上げの湯〉と呼ばれた。温泉効能と近代医学を結びつけた温泉療養センターがあり,湯治客が多い。JR吾妻線中之条駅からバスの便がある。
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