泉廃寺(読み)いずみはいじ

日本歴史地名大系 「泉廃寺」の解説

泉廃寺
いずみはいじ

[現在地名]原町市泉 宮前・寺家前

奈良時代から平安時代にかけて存在したと推定される遺跡。礎石が露出している水田およびその周辺四・五ヘクタールは県指定史跡。当地から約五〇〇メートル東方の舘前たてまえ遺跡から出土した古瓦・円面硯など二六点は泉廃寺跡出土瓦として県指定重要文化財となっており、三島みしま町にある原町公民館内の原町文化センターに展示されている。出土瓦の鐙瓦瓦当面にみられる百済様式パルメット文(メソポタミアの扇形ヤシの葉を応用した文様)系花弁文は、植松うえまつ廃寺と福島市の腰浜こしのはま廃寺に分布しており、次の段階として相馬市の黒木田くろきだ遺跡や須賀川市の上人壇しようにんだん廃寺などに展開する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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