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神仏習合思想に基づく仏教神道の一つで、日蓮(にちれん)宗において説かれる。日蓮の思想に発するが、その根源は、比叡山(ひえいざん)の横川(よかわ)で円仁(えんにん)(慈覚大師)が『法華経(ほけきょう)』の如法写経を行い、この経典を根本如法堂に安置したとき、三十番神(初めは十二番神)を勧請(かんじょう)して『法華経』の守護神としたことに発している。三十番神は、日本国中の著名な神々が1日ずつの交替で『法華経』を守るという信仰で、仏教の三十日仏名(ぶつみょう)などの思想の影響を受けて考えられたものである。中世における仏教神道(理論神道)説の基本となる文献は卜部兼倶(うらべかねとも)の著述『番神問答記』である。すでに日蓮は吉田兼益について神道を学んでいるので、法華神道と吉田神道とはきわめて近い関連をもつ教義から成り立っている。
[景山春樹]
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