デジタル大辞泉
「法螺」の意味・読み・例文・類語
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ほ‐ら【法螺】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① =ほらがい(法螺貝)①
- [初出の実例]「之を巻くときは則、旋螺(ホラ)の如しといへり」(出典:法華義疏長保四年点(1002)二)
- [その他の文献]〔宋史‐外国伝七・日本国〕
- ② 法螺貝の大きな貝殻に細工して吹き鳴らすようにしたもの。古く軍陣で進退の合図に用い、また、修験道の山伏が山にはいるとき、猛獣を恐れさせるために吹いた。法螺貝。ほらのかい。
法螺[ 一 ]②〈南紀徳川史〉
- [初出の実例]「宝螺之声不絶、礼仏之勤無倦」(出典:法隆寺文書‐九・承暦二年(1078)一〇月三日・金光院三昧僧等解)
- [その他の文献]〔王勃‐益州綿竹県浄慧寺碑〕
- ③ うそを言うこと。大言をはくこと。また、虚言・大言。ほらのかい。
- [初出の実例]「虚喝(ホラ)の種になるヨ」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二)
- ④ 山伏の異称。
- [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 利益や収入などが意外に多いさま。
- [初出の実例]「ほらなる金銀まうくる故なり」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)四)
ほう‐らホフ‥【法螺】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 =ほら(法螺)[ 一 ]〔書言字考節用集(1717)〕
- [初出の実例]「大法皷を鳴らし、大法螺(ホウラ)を吹き」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉八)
- [その他の文献]〔王勃‐浄恵寺碑〕
- [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「ぼうら」とも ) 中身が備わっていないのに大きな口をきくこと。誇大なこと。また、そのさま。
- [初出の実例]「かうていかめいほうらな事を云ぞ」(出典:史記抄(1477)九)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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法螺(ほら)
ほら
巻き貝の先端または側面に穴をあけ、吹口を取り付けた吹奏楽器。唇を振動させて音を出す。アジアやオセアニアに広く分布し、宗教や呪術(じゅじゅつ)に用いられるほか、信号発信にも使われる。日本では法螺貝または略して貝(ばい)ともよばれ、密教僧が宗教具として唐から伝えたとされる。現在でも真言(しんごん)宗や天台宗の法会(ほうえ)や東大寺などの修二会(しゅにえ)で、儀礼の一つとして吹奏されている。以前は、戦陣において陣太鼓とともに用いられ、合図や、戦意を高めるなどの役割を担い、陣具ともよばれた。歌舞伎(かぶき)でも、戦いの場面の効果音として使われる。
[藤田隆則]
『大無量寿経』では法鼓(太鼓、鉦鼓(しょうこ))と法螺があげられている。サンスクリット語ではシャンキャśa
khaといい、商きょと訳す。大巻き貝を吹くことによって遠方に音を伝える。修行者がこれを山中で吹くのは、猛獣を追い払うとともに悪魔を退けるためである。日本ではもっぱら修験道(しゅげんどう)の合図に吹かれ、山伏集団のあるところでは、「貝吹き岩」があって、日常の合図と非常呼集に使われた。「ほうら」ともいわれ、法螺の緒(お)は螺緒(らお)といい、山中では救急用のザイルであった。
[五来 重]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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法螺【ほら】
インドで,人を集めるのにホラガイを吹いたのを,仏の説法に集まる人の盛んなさまにたとえ,また仏の説法そのものにもたとえた。日本では,山伏が悪獣を追うために用いたが,のち重要な法具となり,法会でも用いるようになった。千手観音の持物の一つでもある。また法螺を吹くことによる呪術性は,戦場,寺院の大衆発向,徳政一揆などの場でも機能したとされる。俗に〈法螺を吹く〉とは大げさな話をすること。
→関連項目ホラガイ(法螺貝)
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「法螺」の読み・字形・画数・意味
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