泰斗(読み)たいと

精選版 日本国語大辞典 「泰斗」の意味・読み・例文・類語

たい‐と【泰斗】

〘名〙 「たいざんほくと(泰山北斗)」の略。ある分野における権威者
黄葉夕陽邨舎詩前編(1812)七・栗山先生招飲諸韻士晉帥亦与焉賦此奉呈「廿年泰斗仰栄名、侍坐深知胸宇清」
※囚はれたる文芸(1906)〈島村抱月一二ピネロ地位に於いてアーサー、ジョーンスと共に英国劇作界の泰斗たれども」

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デジタル大辞泉 「泰斗」の意味・読み・例文・類語

たい‐と【泰斗】

泰山北斗」の略。「医学界の泰斗
[類語]権威第一人者大家たいか耆宿きしゅく大御所おおごしょオーソリティー達人名人名手妙手エキスパート巨星巨匠名匠名工巧手腕利き腕扱き腕達者手足れ手利き有能敏腕辣腕得手特技専売特許上手得意売り物十八番おはこお家芸お株お手の物達者堪能巧者得手物器用多才うまたく巧妙潰しが利くくする腕が立つ怪腕凄腕

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故事成語を知る辞典 「泰斗」の解説

泰斗

ある分野で最も高く評価され、尊敬される人のたとえ。

[使用例] マダムシュールは東洋文学研究の泰斗として各国に知られている博士アルフォンズ、シュールの夫人で[永井荷風つゆのあとさき|1931]

[由来] 「唐書かん伝・賛」の一節から。八~九世紀の中国の文人韓愈は、とても影響力のある人物でした。死んだ後でもその主張は大いに実践されて、「学者これを仰ぐことたいざんほくのごとし(学者たちは、まるで泰山北斗七星を仰ぎ見るかのように、韓愈を尊敬した)」という状態だったそうです。ここから「泰山北斗」という表現が生まれ、それが省略されて「泰斗」となりました。なお、「泰山」とは、現在の山東省にそびえる、中国第一の名山です。

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普及版 字通 「泰斗」の読み・字形・画数・意味

【泰斗】たいと

泰山北斗。泰山は第一の名山。北斗は指標となる星。第一人者。〔唐書、韓伝賛〕沒してより、其の言大いに行はれ、學之れを仰ぐこと、泰山北斗の如しと云ふ。

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