津島ノ渡(読み)つしまのわたり

日本歴史地名大系 「津島ノ渡」の解説

津島ノ渡
つしまのわたり

貞応二年(一二二三)の「海道記」に「市腋いちえを立ちて津島の渡といふ所を舟にて下れば、蘆の若葉あをみわたりて、つながぬ駒も立ちはなれず(中略)渡りはつれば尾張の国にうつりぬ」とあり、津島の渡は尾張への西玄関口であった。

「延喜式」の尾張国馬津うまづ駅は伊勢国桑名榎撫えなず駅の次の駅であるが、弘仁三年(八一二)五月廃止。それ以後も馬津の渡として栄え、一一世紀前半まで馬津の名がみえるが、以後、津島に替わった。河川による土砂堆積で湊として成立しなくなって津島の渡がそれに代わったのか、単なる名称の変化なのかは不明。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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