活速祭(読み)いくはやのまつり

精選版 日本国語大辞典 「活速祭」の意味・読み・例文・類語

いくはや‐の‐まつり【活速祭】

  1. 〘 名詞 〙 京都猪熊(いのくま)三条南にあった褐速(かちはや)神社で、刑死人の冥福のために毎年八月に行なわれた神事死杖祭(しづえのまつり)。いきはやのまつり
    1. [初出の実例]「褐速神社 毎年八月有神事。謂死杖祭。又謂活速(イクハヤノ)」(出典雍州府志(1684)二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「活速祭」の意味・わかりやすい解説

活速祭
いきはやのまつり

奈良時代以降、刑死人の供養(くよう)のために営まれた神事。死杖(しづえ)祭ともいう。京都・猪熊(いのくま)三条南にあった褐速(かちはや)神社において、刑部(ぎょうぶ)省で死罪となった刑死人の冥福(めいふく)を祈るために毎年8月に行われた。踊念仏などさまざまな鎮魂の儀が催された。京都・千本の引接(いんじょう)寺や壬生(みぶ)の地蔵寺の念仏会(ねんぶつえ)は、この祭りを受け継いでいるといわれている。

[佐々木勝]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「活速祭」の意味・わかりやすい解説

活速祭
いきはやのまつり

死杖祭 (しづえのまつり) ともいう。古代,刑死人のために毎年8月に行われた神事。のちに毎春行われる念仏会に代えられた。

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