派遣(読み)はけん

精選版 日本国語大辞典 「派遣」の意味・読み・例文・類語

は‐けん【派遣】

〘名〙 送り遣わすこと。人をある場所へ出張させること。
日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉二「鄙野なる諸国に派遣せらることは」

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デジタル大辞泉 「派遣」の意味・読み・例文・類語

は‐けん【派遣】

[名](スル)
ある使命をもっておもむかせること。「援軍派遣する」「人材派遣業」
派遣社員」「派遣労働者」の略。
[類語]差し向ける差し遣わす遣わす遣る送る送り出す出す発する派する差し立てる回す差し回す差遣する

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知恵蔵 「派遣」の解説

派遣

労働者派遣とは、「自己(派遣事業者)の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」(労働者派遣法)をいう。派遣労働者は派遣事業者と雇用契約を結んでおり、派遣先の事業者との間に雇用・被雇用の関係はない。実際の職場である企業から指示を受けて働くという点では契約社員と同じだが、契約社員は職場である企業と直接雇用関係を結んでおり、同じ非正規雇用者であっても、この点で両者は区別される。派遣の形態は、派遣会社が直接雇用している労働者を企業に派遣する「常用型派遣(特定労働者派遣事業)」と、派遣会社が一定期間(仕事のある期間)に限り雇用契約を結んだ労働者を企業に派遣する「登録型派遣(一般労働者派遣事業)」に分けられる。「常用型」は一般のサラリーマンと同じで、社会保険や有給休暇も保障されるが、「登録型」にはこうした諸権利は保障されない。現在、日本の派遣労働者の7割を「登録型」が占めている。企業から見ると、「登録型」は契約期間が終われば、「調整弁」として雇用継続を見直すことができるので、利用するメリットは大きい。戦後職業安定法制定(1947年)により、こうした「中間搾取」を前提とした間接雇用は禁じられていたが、85年に労働者派遣法が制定され、専門性の強い一部の事業に限って解禁されることになった。その後、財界の要望規制緩和の流れのなか、派遣可能事業は26業種に拡大。99年の改定では、医療や製造・建設業をのぞき、原則自由化された。さらに小泉改革の下、2004年には製造業への派遣も解禁され、多くの企業が正規社員から派遣労働者の採用へとシフトさせていったのである。

(大迫秀樹 フリー編集者 / 2009年)

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「派遣」の解説

派遣

雇用形態のひとつ。労働者は派遣元の企業と雇用契約を結び、実際の業務は派遣先の企業で行う。指揮命令権は派遣先の企業が持つ。

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普及版 字通 「派遣」の読み・字形・画数・意味

【派遣】はけん

出張する。

字通「派」の項目を見る

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