浅海養殖(読み)せんかいようしょく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浅海養殖」の意味・わかりやすい解説

浅海養殖
せんかいようしょく

内湾,内海域など比較的静穏な浅海域を利用して行う養殖。内水面養殖あるいは海面漁業に対する言葉として使われる。一定の海水面において人工施設を施して水産動植物の種苗を積極的に採取し,または人工的に生産し,これを集約的に育成,管理して収獲する事業で,はまち,たいなどの魚類養殖,帆立貝かきなどの貝類養殖,のり,わかめなどの海草類養殖,伊勢えび,車えびなどの水産動物養殖などの食用養殖のほか,真珠養殖が含まれ,養殖種類は 60種に達する。養殖方法としては,魚類養殖は主として小割り式,いけす式,かき,帆立貝などは垂下式,のりは網ひび式で行われる。 1990年の浅海養殖の生産量は 127万 3000tで,10年前 (1980) の 99万tに比べ2割以上の伸びを示しているが,これはおもに中高級魚介類の需要の増大と,計画性,生産性,安定供給といった利点があるので着実に発展しているためである。

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