浜城跡(読み)はまのしろあと

日本歴史地名大系 「浜城跡」の解説

浜城跡
はまのしろあと

[現在地名]島原市弁天町

中世の城館跡。浜ノ城とも。戦国期には島原氏が居城したといわれ、当時の史料に島原の城とあるのは当城をさす場合が多いとされる。永禄六年(一五六三)島原純茂は浜城の近くの高台(古城)の地をイエズス会に教会の用地として与えている(フロイス「日本史」)。当城跡の遺構は寛政四年(一七九二)まゆ山崩壊で埋没したとされる。

〔有馬氏の時代〕

戦国期にかけて勢力を伸ばした有馬氏ながら、急成長をみせる龍造寺氏には劣勢を余儀なくされていた。同じく龍造寺氏の南下を阻止しようとする島津氏に対して、有馬氏は援助を要請し、島原半島への出兵を求めた。龍造寺氏に呼応して島原の城主らが有馬晴信に反逆するまでは三会みえおよび多比良たいら神代こうじろ(現国見町)などの諸城は有馬領であったという。当時の島原純豊は有馬領の有力な勢力であったが、年若く行状の悪い腐敗した性格であるとも記される(フロイス「日本史」)。天正一一年(一五八三)頃、「有馬ノ領内美江・島原・深江ノ城」は龍造寺隆信に討取られていたという(「勝部兵衛門聞書」旧記雑録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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