浮貸し(読み)ウキガシ

デジタル大辞泉 「浮貸し」の意味・読み・例文・類語

うき‐がし【浮(き)貸し】

[名](スル)
金融機関役職員自己または第三者利益を図るために、その地位を利用して職務上保管している金銭を不正に貸し出す行為
古い商習慣で、呉服・薬などの行商人商品を貸しておき、あとで売れた分から代金を回収するやり方。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浮貸し」の意味・わかりやすい解説

浮貸し
うきがし

金融機関の役員,職員その他の従業員が,その地位を利用し,自己または第三者の利益をはかるため,金銭の貸し付け(手形割引,売渡担保その他これらに類する方法によってする金銭の交付を含む),金銭の貸借媒介債務の保証を行なうこと。浮貸しは,出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律により禁止されているほか,刑法上,業務上横領罪(→横領罪),詐欺罪として処罰されうる。

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世界大百科事典(旧版)内の浮貸しの言及

【金融犯罪】より

…会社・銀行の場合)に問われる。金融機関の役職員がその地位を利用して,貸付けの正規の手続をとらず,手元にある金融機関の資金を貸し付ける浮貸しは,めったに表面化しない犯罪であるが,出資取締法3条で禁止されている。この規定が設けられた理由は,金融機関の役職員という特に有利な地位を利用して〈サイドビジネス〉を行うことを許すことは,その属する金融機関の信用を失墜させ,一般預金者に不慮の損害を加えるおそれがあるからである。…

※「浮貸し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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