海洋拡散(読み)かいようかくさん(英語表記)diffusion in the ocean

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海洋拡散」の意味・わかりやすい解説

海洋拡散
かいようかくさん
diffusion in the ocean

海洋中にある種々の化学物質熱量プランクトン等は空間的に一様に分布しておらず,いわば濃淡がある。この分布を一様にするような運動を海洋拡散と呼ぶ。機構として,分子拡散と乱流拡散がある。分子拡散は分子レベルの拡散で行なわれ,理論は A.フィックにより確立されている。乱流拡散は流れの場が乱流状態にあるために起こる現象で,統計的な手法での近づきが G. I.テーラーにより進められた。現象を平均と乱れという概念に分離し,平均場に対して乱れが果たす役割の大きさで,拡散の強度を議論する。分子拡散と乱流拡散とでは,乱流拡散が圧倒的に大きい。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android