国際条約によって保護されている著作物を,条約関係にある他国において,著作権者の許諾なしに無断で複製,頒布したもの。このような無断複製は,条約関係にある国では著作権の侵害となるが,条約関係にない国では法的な拘束がないため差し止めることができない。日本では条約関係にない国で無断複製された複製物でも,国内に輸入し頒布することについて侵害行為を規定している。第2次世界大戦後,日本でも高額な外国の自然科学関係学術書を中心に海賊版が出版され,国際的な批判を受けたが,その後減少した。一般に著作権思想の普及によって海賊版は減ると考えられるが,最近経済的困難や複製技術の進歩から海賊版はかえって増えている実態もあり,国際的な問題となっている。著作権制度の確立はもとより,開発途上国における経済的困難の打開,出版技術の開発などが海賊版対策の課題とされている。なお,マスコミなどでは一国内の無断複製をも海賊版と呼んでいる。
→著作権
執筆者:野々村 敞
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外国の著作権者の許諾を得ないで複製された書籍やレコードなどをいう。無断で他人の財産をかすめ取ることが海賊行為に類似するところから、このようによばれる。ベルヌ条約(1886)と万国著作権条約(1952)のいずれかに加盟している国の著作物は、日本でも保護の義務を負うから、日本で海賊版が作成されると、著作権法(昭和45年法律48号)違反行為となる。また海外で作成された海賊版をわが国に輸入したり、海賊版であることを知りながら頒布したりする行為もまた著作権侵害となる。
[半田正夫]
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