消費者行動モデル(読み)しょうひしゃこうどうもでる(英語表記)consumer behavior model

知恵蔵 「消費者行動モデル」の解説

消費者行動モデル

消費者行動に関する諸概念間の関係を言語図式数式などを用いて示したもの。具体的には、製品・サービスの選択のための情報探索から購買まで、あるいは、その後の消費・廃棄までの一般的な過程を、その背後にある理論や消費者行動の規定要因との関連で示したものが中心となる。購買までの意思決定過程を包括的に取り扱おうとするものには、ハワード=シェス・モデルに代表されるような刺激‐生体‐反応型モデルやベットマン・モデルに代表される消費者情報処理モデルがある。他方、情報探索(例:考慮集合モデル)、評価(例:多属性態度モデル)、購買(例:マルコフ・モデル)、購買後(例:満足モデル)など特定の意思決定段階を扱うモデルも多く存在している。さらに、買い物場所の選択を扱うモデル(例:ハフ・モデル)や新製品の採用や普及に関するモデル(例:ロジャースの新製品普及過程モデル)などもある。いずれのモデルも消費者行動を説明したり、所与の条件下における消費者の行動を予測するために用いられる。

(高橋郁夫 慶應義塾大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「消費者行動モデル」の意味・わかりやすい解説

消費者行動モデル
しょうひしゃこうどうモデル
consumer behavior model

消費者行動をモデル化して,一定の環境変化や条件を与えると市場がどう反応するかを予測する手段。ただ,消費者行動は多様で,予測には困難を伴う。電通は「関係消費の時代」として現代家族のモデルを大きく4つに分類し「家族や周辺の人々との関係改善・強化に役立つ物やサービスが売れる時代」だと分析している。たとえば単身赴任先から新幹線で帰宅した父親の顔を見て喜ぶ子供という「親子や家族関係」に訴える広告が,新幹線利用を促進するなど,きずなを大切にする販売戦略が重要としている。

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