消返(読み)きえかえる

精選版 日本国語大辞典 「消返」の意味・読み・例文・類語

きえ‐かえ・る ‥かへる【消返】

〘自ラ四〙
① (「かえる」は程度のはなはだしい意) 物事がすっかり消えてなくなる。たちまち消えてしまう。
蜻蛉(974頃)上「さだめなくきえかへりつる露よりもそらたのめするわれはなになり」
感情が迫って、心が消え入りそうなほど思いつめる。正常な心地がなくなる。
古今(905‐914)恋二・五六四「わがやどのきくのかきねに置くしものきえかへりてぞこひしかりける〈紀友則〉」
③ (「かえる」は繰り返し行なわれる意) 霜や水のあわなどが、消えてはまたできる。物思いをくり返すことにもいう。
※宇津保(970‐999頃)沖つ白浪「きえかへりそめこし物を同じ野の花に置くとも何か見ゆべき」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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