深層熱水(読み)しんそうねっすい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「深層熱水」の意味・わかりやすい解説

深層熱水
しんそうねっすい

堆積(たいせき)盆地の地下深所に貯留されている高温の地下水。熱源は一般には非火山性の地殻熱で、その温度は地温勾配(こうばい)と存在する深さによって決まる。たとえばパリ盆地では深さ1.8キロメートルに約70℃、ハンガリーのカルパチア盆地では深さ2キロメートルに約90℃の熱水があり、農業、地域暖房に利用されている。日本では濃尾(のうび)平野で1.6キロメートルの深さから68℃の湯が湧出(ゆうしゅつ)しているのが有名であり、秋田平野(秋田県)、越後(えちご)平野(新潟県)、宮崎平野(宮崎県)でもその存在が知られている。わが国でも、これらを温泉としてだけでなく、熱エネルギー資源として利用する計画が進められている。

[湯原浩三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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