深江湊(読み)ふかえのみなと

日本歴史地名大系 「深江湊」の解説

深江湊
ふかえのみなと

[現在地名]日出町大神 深江

別府湾北岸の湊で、近世南大神みなみおおが村の南東端、鵜糞うのくそ鼻と大崎おおさき鼻の間の入江にある。豊後一の良港といわれ、古くから利用されていたとみられるが、具体的な様子は不明。中世は大神庄に属して大神氏の支配下にあり、日出大神氏始末并同浦問丸由緒覚(武内文書)に「戸次太郎時親二男大神次郎朝直、初而豊後国速見郡大神庄ニ居住、深江一戸ノ城ヲママキ、子孫代相続、朝直ヨリ至鎮勝ニ、十六代也」とある。慶長五年(一六〇〇)細川忠興の臣松井康之の守る木付きつき(杵築)城攻略に向かった臼杵うすき城の太田一吉・一成父子の軍勢は、まず深江と支湾ひがしノ江の間の丘陵先端にある旧大神氏の居城亀甲きつこう城を攻めたが、事前に松井軍の手によって破壊されていた(「立石一件」松井家文書)。江戸時代に入ると湊は日出藩により整備され、寛文七年(一六六七)藩主木下俊長は別邸を建設して襟江きんこう亭と名付け、湊の警備のため深江番所を置いた(「木下氏系図附言纂」日出町立万里図書館蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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