渡世人(読み)とせいにん

精選版 日本国語大辞典 「渡世人」の意味・読み・例文・類語

とせい‐にん【渡世人】

〘名〙 (商売往来に載っていない稼業によって世わたりする無職渡世の人の意から) 各地博打打ちもとを渡り歩き、博打を打ったり小遣い銭を貰い受けたりした博打打ち。のち広く博打打ちをいう。博徒
※耳を掻きつつ(1934)〈長谷川伸〉巷の舌「その時の興行物の要所要所で仕事をしてゐるのは、小金井一家の流れを汲む所謂渡世人」

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デジタル大辞泉 「渡世人」の意味・読み・例文・類語

とせい‐にん【渡世人】

ばくちうち。博徒。やくざ

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世界大百科事典(旧版)内の渡世人の言及

【関東取締出役】より

…18世紀の後半とくに天明の大飢饉以降,関東の農村における農民層の階層分化は激化し,巨大な富を蓄積する豪農層の成長する反面,潰れ百姓,水呑,日雇,出稼,職人,零細な農間余業者,あるいは無宿という,いわゆる没落農民が広範に形成されるようになった。とくに無宿,博徒,渡世人とよばれた遊民化した浮浪人層の増大は,領主支配の秩序を脅かす不穏勢力となってきた。 しかし,これまでの関東領国体制では,十分にそれらの新しい情勢に対応することができなかった。…

※「渡世人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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