渡嶋(読み)わたりのしま

改訂新版 世界大百科事典 「渡嶋」の意味・わかりやすい解説

渡嶋 (わたりのしま)

古代の蝦夷関係の記事に散見する地名。《日本書紀》《続日本紀》《日本後紀》《三代実録》《日本紀略》《扶桑略記》《類聚三代格》などにみえる。7世紀半ばから9世紀末までの間,日本海沿岸の北部に存在した。その所在地については,渡島(おしま)半島付近とする説もあるが,記事によって,北海道津軽地方,出羽国管内のいずれとも見ることが可能である。渡嶋に対する認識自体が時代によって変化している可能性もあり,所在地の比定は不可能。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android