気象庁の地方機関の一つで管区気象台などに属している。1日8回の定時地上気象観測(気圧、気温、露点、湿度、風、雲、降水など)や地震観測などを行う。
全国で100か所以上あったが、1996年(平成8)以降、自動観測が可能な機器の発達や気象レーダー、AMeDAS(アメダス)(自動気象観測網)などが整ったことにより、測候所の無人化が進んだ。無人化後は「特別地域気象観測所」として自動観測が続けられている。さらに、2004年(平成16)12月に閣議決定された行政改革の方針により、減量・効率化として測候所の整理合理化が進められたが、無人化によって防災対応力が低下することへの懸念もあり、防災強化等のための増員も行われた。2010年10月までに無人化が困難な帯広測候所と名瀬測候所以外の測候所がすべて無人化され、特別地域気象観測所となった。活動が活発な火山の監視業務や高層気象の観測・監視業務等、特定の測候所がもっていた業務については、現地または近隣の地方気象台等において継続して実施されている。
また、有人の航空測候所が6か所(新千歳、仙台、大阪、福岡、鹿児島、那覇)ある。航空地方気象台(成田、東京、中部、関西)とともに、航空機の運航を支援する情報等を提供しており、その機能強化が図られている。なお、日本最古の測候所に相当するものは、北海道開拓使が1872年(明治5)に函館(はこだて)に設置した函館気候測量所(函館海洋気象台の前身)で、内務省地理局に東京気象台(気象庁の前身)ができる3年前のことである。
[安田敏明・饒村 曜]
『志崎大策著『富士山測候所物語』(2002・成山堂書店)』
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