湊紙（読み）ミナトガミ

デジタル大辞泉

みなと‐がみ【^×湊紙】

《もと和泉いずみ国湊村で作られたところから》壁やふすまの腰張りなどに用いる粗製の鳥の子紙。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

みなと‐がみ【湊紙】

1. 〘 名詞 〙 ( 和泉国大鳥郡湊村（大阪府堺市西湊・東湊町）で作られたところからいう ) 襖や壁の腰張りなどに用いる粗製の鼠色の鳥の子紙。
   1. [初出の実例]「木枕を波枕ともおもひなせ みなと紙(カミ)にてはれるねどころ〈梅盛〉」(出典：俳諧・鷹筑波（1638）五)

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

湊紙
みなとがみ

江戸時代に和泉(いずみ)国（大阪府）堺(さかい)の湊村で漉(す)かれた和紙。鳥の子系統の下等な漉き返し紙で、壁の腰張りに多く使用された。のちに摂津国有馬(ありま)郡山口村（兵庫県西宮(にしのみや)市）でも同様な紙が漉かれたが、この山口湊紙は隣の名塩(なじお)村（西宮市）の抄造法をまねて粘土を混入して漉かれた。湊紙は井原西鶴(さいかく)などの江戸の文学作品に出てくる。

［町田誠之］

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