湯浅宗光(読み)ゆあさ・むねみつ

朝日日本歴史人物事典 「湯浅宗光」の解説

湯浅宗光

生年生没年不詳
鎌倉前期の武士。宗重の子。七郎左衛門尉と称した。のちに出家して浄心と号した。当初は父と共に平氏に仕えたが,やがて源氏に味方するようになり鎌倉幕府御家人となる。父から紀伊国保田荘(和歌山県有田市)を譲られ,保田氏を名乗るようになる。宗重の7男(庶子)でありながら,湯浅一族の中での最有力者となり,保田氏が湯浅一族全体の主導的立場に立つ基礎を築いた。また,甥に当たる明恵上人(高弁)の後援者でもあった。嫡流をしのいで一族を代表することになったのは,その才覚が父に認められたからであろう。

(高橋慎一朗)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「湯浅宗光」の解説

湯浅宗光 ゆあさ-むねみつ

?-? 鎌倉時代の武士。
湯浅宗重の7男。建久8年(1197)文覚(もんがく)より紀伊(きい)阿氐河(あてがわの)荘(和歌山県)下司(げし)(地頭)職をゆずられる。承久(じょうきゅう)元年熊野神人(じにん)に訴えられ対馬(つしま)に流されたが,2年後もどされて阿氐河荘,保田(やすだの)荘などの地頭となる。通称は七郎兵衛尉。法名は浄心。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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