溜・堪(読み)たまる

精選版 日本国語大辞典 「溜・堪」の意味・読み・例文・類語

たま・る【溜・堪】

〘自ラ五(四)〙 (流れ去らずに物事が徐々に集まって、そこにとどまる意)
① 集まって多くなる。一所に寄り集まる。つもる。累積する。
古事記(712)中・歌謡「水多麻流(タマル) よさみの池の 堰杙うちが 挿しける知らに」
源氏(1001‐14頃)総角「かひなを枕にて寝給へるに、御ぐしのたまりたる程など」
※青べか物語(1960)〈山本周五郎〉毒をのむと苦しい「借りが溜っていたから」
② 特に、たくわえが多くなる。金が多くなる。
※狂歌・玉吟抄(1608)「国々の数かぎりなき伊勢まいり銭やたまるの関路なるらん」
③ ある場所に止まる。動かないでとどまる。
※保元(1220頃か)中「しばしは矢にかせがれて、たまるやうにぞ見えし」
④ (堪) 堪え支える。保ち続ける。こらえる。多く、下に打消の語を伴って否定の意で用いる。→たまらない
※宇治拾遺(1221頃)九「この女を、〈略〉男あはせけれど、男もたまらざりければ」
玉葉(1312)冬・八三四「山がつのよもぎが垣も霜がれて風もたまらぬ冬は来にけり〈藤原清輔〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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