溜塗(読み)ためぬり

精選版 日本国語大辞典 「溜塗」の意味・読み・例文・類語

ため‐ぬり【溜塗】

〘名〙 漆芸の塗りの一種赤色の中塗の上に透漆(すきうるし)をかけたもの。普通、弁柄漆の上に透漆をかけるが、朱漆の中塗をしたものは朱溜あるいは紅溜塗という。〔日葡辞書(1603‐04)〕
評判記色道大鏡(1678)二「水口ごりを溜(タメ)ぬりにし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の溜塗の言及

【漆工芸】より

…なお,上塗りは花塗(塗立てともいい,研ぎ出さない)と呂色塗(磨きを加える)に大別される。塗りの種類は多く,溜塗(赤い漆の上に透漆をかける),白檀塗(箔または金地の上に透漆をかける)などのほか,春慶塗,赤漆,変塗(かわりぬり)がある。なかでも変塗は材料や技法の種類が多く(数百種),江戸時代に刀の鞘の塗りにほどこされて発達したので鞘塗ともいわれる。…

※「溜塗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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