漆桶（読み）シッツウ

デジタル大辞泉

しっ‐つう【漆^×桶】

《うるしを入れたおけの意》真っ黒で何も見分けがつかないように、仏法について何もわからない僧。また、その原因である煩悩ぼんのうや妄執をさす。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しっ‐つう【漆桶】

〘名〙 (「つう」は「桶」の仏家で多く用いる慣用音。呉音の「つ」のなまったもの) うるしを入れるおけ。まっくらでなにもわからないことや、また、仏法についてなにもわからない僧、または妄想・執着のたとえ。「漆桶を打破する」などの形で、邪見・妄執の状態を脱する意に用いる。しっとう。

※正法眼蔵随聞記（1235‐38）四「僧の威儀を守り、済度利生の行儀を思ひ〈略〉一期行じてもてゆけば是れを古人も打破漆桶底と云ふ也」 〔碧巖録‐一則・評唱〕

うるし‐おけ ‥をけ【漆桶】

〘名〙 漆塗りに用いる桶。

※ささめごと（1463‐64頃）上「人の心をばうるしおけにたとへ侍り」

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【漆桶】しつとう

漆飾の桶。

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出典　平凡社「普及版 字通」