漕・榜(読み)こぐ

精選版 日本国語大辞典 「漕・榜」の意味・読み・例文・類語

こ・ぐ【漕・榜】

〘他ガ五(四)〙
① 櫓(ろ)や櫂(かい)などを用いて船を進める。また、櫓や櫂などを動かすような動作で器具を手で動かす。
万葉(8C後)一八・四〇五六「堀江には玉敷かましを大君を御船許我(コガ)むとかねて知りせば」
※ガトフ・フセグダア(1928)〈岩藤雪夫〉四「手押ポンプを漕いだ」
② ぬかるみや雪の積もったところ、やぶなどの歩きにくいところを歩く。
金沢文庫古文書‐(年月日未詳)(鎌倉後)道顕書状(一・七八四)「雨中に帰てこそ候へ〈略〉あしみちをこき候て、はきがすくみて候」
※義経記(室町中か)五「雪をば深くこぎたり」
③ いねむりをして、からだを前後にゆり動かす。いねむりする。船を漕ぐ。
※洒落本・寸南破良意(1775)年季者「『コウから漕(コグ)もんだの』びっくりしておき」
④ 自転車やブランコなどを足の力で動かす。

こぎ【漕・榜】

〘名〙 (動詞「こぐ(漕)」の連用形名詞化) こぐこと。船をこぐこと。
※万葉(8C後)四・五五七「大船を榜(こぎ)のまにまに岩に触れ覆(かへ)らば覆れ妹に依りては」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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