(読み)デン

デジタル大辞泉 「澱」の意味・読み・例文・類語

でん【澱】[漢字項目]

[音]デン(呉) [訓]おり よどむ
水底にたまったかす。おり。「澱粉
よどむ。「沈澱
[補説]2は「殿」を代用字とすることがある。
難読沈澱おどみ

おり【×澱/×滓】

液体の底に沈んだかす。おどみ。
すっきりと吐き出されないで、かすのようにして積もりたまるもの。「心にたまった―」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「澱」の読み・字形・画数・意味


16画

(異体字)淀
人名用漢字 11画

[字音] デン・テン
[字訓] よど・よどむ・どろ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は殿(でん)。淀は定(てい)声。〔説文〕十一上に「澱は滓(しぎん)なり」(段注本)、字条十三下に「澱(どろ)なり」とあって互訓。また滓に「澱(どろ)なり」、淤(お)に「澱滓(でんし)、濁泥なり」とあって、水底の泥をいう。淀は〔説文〕にみえず、〔玉〕に「淺き水なり」とあって、澱と別義の字であるが、声義が近く、通用することがある。〔和名抄〕に「、江の賦に云ふ。澱、淀と古字ず。淵の如くにして淺き處なり」とあり、〔魏都の賦〕の〔劉逵注〕の文である。わが国では、淀川のことを澱江・澱水のようにいう。

[訓義]
1. どろ、おり、かす。
2. よどむ、とどこおる、ふち、あさいふち、よど。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕澱 淵の如くにして淺き處なり。與止美(よどみ)と訓む。俗に淀の字を用ひて、與止(よど)と云ふ 〔名義抄〕澱 シタム・ソム・ウルフ・ヨドム・ヨドミ・サムシ・アヰシル・ヨド 〔字鏡集〕淀 ヨド・ヨドミ・アサキミヅ・ススグ/澱 ソム・シタム・ヨドミ・ヨドム・アヰシル・ウルフ

[語系]
澱dyn、滓tzhiは声近く、〔説文〕に「滓は澱なり」とあって互訓。また(滋)tziも声義近く、黒く染まる意がある。

[熟語]
澱汚澱淤・澱滓澱塞澱澱・澱粉
[下接語]
淤澱・廻澱・巨澱・浅澱・碧澱・藍澱

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

とっさの日本語便利帳 「澱」の解説

ワイン色素や渋み成分、酵母などが一体になったもので、瓶の底にたまる。白ワインにはほとんどなく、年を経た赤ワインに見られる。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android