濃厚(読み)ノウコウ

デジタル大辞泉 「濃厚」の意味・読み・例文・類語

のう‐こう【濃厚】

[形動][文][ナリ]
味・色・におい・成分などが濃いさま。こってりとしたさま。「濃厚な香り」「濃厚牛乳」⇔淡泊
ある可能性が強く予想されるさま。「嫌疑濃厚になる」「敗色濃厚
きわめて刺激的で情欲をそそるさま。「濃厚なキスシーン」
[派生]のうこうさ[名]
[類語]濃い濃密深いこまやか濃度色濃いくどいしつこいこってり脂っこいこてこてぎたぎたぎとぎとねっとり脂ぎる脂ギッシュオイリー毒毒しいごてごて

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精選版 日本国語大辞典 「濃厚」の意味・読み・例文・類語

のう‐こう【濃厚】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
  2. 濃くあついさま。こってりとしたさま。きわめて濃いさま。色、味、匂いなど五感に受ける刺激の強いさまをいう。
    1. [初出の実例]「空気は〈略〉下は濃厚にして、上は稀薄なり」(出典:小学読本(1873)〈田中義廉〉四)
  3. 男女の仲のきわめて熱情的なさま。他から見て、関係や行動が刺激的なほど激しいさま。
    1. [初出の実例]「左右した濃厚(ノウコウ)な恋愛を象どる艷めかしい歌舞伎姿を」(出典明暗(1916)〈夏目漱石〉八二)
  4. ある要素傾向が強く感じられるさま。また、強く予想されるさま。「敗色濃厚」
    1. [初出の実例]「濃厚ないかりにあうてかう辛労するぞ」(出典:京大二十冊本毛詩抄(1535頃)一八)
    2. [その他の文献]〔風俗通‐三皇〕

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普及版 字通 「濃厚」の読み・字形・画数・意味

【濃厚】のうこう

濃密で深厚。〔丹青志、妙品志〕(唐解元)寅、字は伯虎。~南京解元に中(あた)るも、事に坐して廢せらる。禪にれ佛を學び、任自ら放(ほしいまま)にす。畫法沈鬱(ちんうつ)、風骨奇峭(きせう)、庸瑣(ようさ)を刊し、務めて濃厚を求む江疊(でふけん)、(しし)として、窮まらず。

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