火の玉模型(読み)ひのたまもけい(英語表記)fireball model

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「火の玉模型」の意味・わかりやすい解説

火の玉模型
ひのたまもけい
fireball model

高エネルギー中間子多重発生機構を説明する有力な模型。 1958年に丹生潔,G.コツコニ,M.ミエソビッツによって独立に提唱された。高エネルギーの核子と核子の衝突の際,火の玉と呼ばれる中間生成物を生じ,それらが多数の中間子に崩壊する。火の玉の質量は崩壊して生じる中間子の数に比例する。火の玉の内部では熱平衡が実現し,中間子はその重心系で等方的に放出される。高エネルギー加速器実験でしばしばクラスターと呼ばれる中間生成物の発生が唱えられ,素粒子反応における火の玉模型の重要性がうかがわれる。 (→多重発生 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android