火山性地震とは異なり,長時間継続する震動をいい,マグマだまりの振動,火道中のマグマやガスの振動,溶岩の流動と噴出などによって起こされる。発生原因はさまざまであるが,流体の運動によって起こされると考えられている。ほとんど無感であり,振動周期は発生要因にしたがって異なる。平常連続的に微動が観測される火山もあれば,噴火の時のみ観測される火山もある。一般に,流動性に富んだマグマの火山では,平常,微動が観測される場合が多い。このように,火山性微動は地下のマグマの運動によって発生すると考えられるので,噴火の前兆現象としても重要である。たとえば阿蘇山では,噴火が近づくと微動の振幅がしだいに大きくなり,それが急に止まってから噴火する例が多く,噴火予知の重要な手がかりとなっている。キラウェア火山では微動の発生源が20kmと深いものも観測されており,マグマが深い所から供給されていることを裏づけている。
執筆者:下鶴 大輔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(井田喜明 東京大学名誉教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
火山でおこる火山性地震とは異なり、地震の開始が不明瞭で、波形も複雑な振動現象。振幅が小さいわりに、継続時間が長いものが多い。マグマ、火山ガス、熱水の移動や振動によって発生すると考えられている。噴火に先行して火口付近で発生することが多く、噴火に伴って連続的におこる。地殻の深部においても同様の微動がおこることがある。
[中田節也]
「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...
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