災害用伝言サービス(読み)さいがいようでんごんさーびす

知恵蔵 「災害用伝言サービス」の解説

災害用伝言サービス

災害時に、家族や知人との安否確認が行える無料の伝言サービス。地震豪雨などの災害時には、被災地への電話回線が混雑し、つながりにくくなり、安否確認がとりにくくなる。総務省ウェブページによれば、2011年3月に発生した東日本大震災の直後に、最大で平常時の約50~60倍以上の通話が一時的に集中した携帯電話事業者がある。そのため、災害時でも、安否確認や避難場所の連絡等がスムーズに行えるよう、例えばNTTグループでは、被災地への通話がつながりにくい状況になった場合などに備えて、次のようなサービスを用意している。被災者は、災害用伝言ダイヤル「171」にダイヤルし、自分の安否確認に利用される可能性が最も高い自宅などの固定電話の番号を登録して、メッセージを録音する。被災者のメッセージを聞きたい家族等は、「171」をダイヤル後、被災者が登録した番号を入力するなどの操作を行うことで、被災者からのメッセージを確認することができる。その他、NTTグループでは、インターネットを利用して被災者の安否確認を行う伝言板「web171」といったサービスも提供している。
また、3大キャリアと呼ばれる、NTTドコモauソフトバンクの、国内大手携帯電話事業者でも、伝言板サービスを提供している。3大キャリアのサービスでは、被災者は、自分の携帯電話やスマートフォンから「災害用伝言板」サイトにアクセスし、メッセージを入力する。そして、安否を確認したい側は、「災害用伝言板」で被災者の携帯番号を入力するだけで、被災者のメッセージを見ることができる。
更に、3大キャリアでは、「災害用音声お届けサービス」と呼ばれるサービスも提供している。同サービスでは、各社SMS(ショートメッセージサービス)とパケット通信を併用して、音声メッセージの有無の確認や録音再生が可能であり、被災者が録音した声によるメッセージの確認ができる。

(横田一輝 ICTディレクター/2018年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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