炭素化合物,水,その他の揮発性の化合物や元素を多く含むコンドライト隕石の一種。含水ケイ酸塩,鉄を多く含むカンラン石などの黒い細かい粒子(約1μm以下)と球粒状のコンドルールなどから成る。
炭素質コンドライト(特に,タイプ1と呼ばれるコンドルールを含まない種類)は,一部の揮発性元素を除くと,太陽大気とよく似た元素組成をもつ。揮発性化合物が多いこと,金属鉄などの還元状態の化合物を含まないことから,太陽系形成の初期につくられて以来,ほとんど熱変成をうけておらず,太陽系物質中最も始原的なものと考えられる。
炭素質コンドライトに含まれる有機化合物は,生命現象に必須の化合物であるが,生物によってつくられたものは見いだされていない。これらは,惑星の形成以前に,原始太陽系星雲,赤色巨星の大気または星間空間でつくられたものと考えられる。アンダーズE.Andersは,これらは,原始太陽系星雲のガス中で,炭素質コンドライト中の鉱物を触媒とし,約10⁻6気圧,360~400K下でH2,CO,およびNH3からつくられたという。
→アジェンデ隕石 →コンドライト →マーチソン隕石
執筆者:長沢 宏
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…鉄隕石,石鉄隕石,エコンドライトは後者に属する。コンドライトは,含まれる金属鉄,全鉄量によりエンスタタイト(E)コンドライト,オーディナリー(O)コンドライト(H,L,LLの3種よりなる)および炭素質(C)コンドライトに分類される。Oコンドライトは形成後の熱変成の度合の低い方から高い方へ1より6の番号を付け,これをH,L,LLの後につけてH6というふうに分類される。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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