点接触型ダイオード(読み)てんせっしょくがたダイオード(英語表記)point contact diode

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「点接触型ダイオード」の意味・わかりやすい解説

点接触型ダイオード
てんせっしょくがたダイオード
point contact diode

ゲルマニウムシリコンなどの半導体の表面に金属の針を立てて点状に接触させたときの整流現象を利用する素子。先端をとがらせたタングステンモリブデンなどの線を一定の圧力でゲルマニウムに接触させる。これだけでは特性が不安定なので,瞬間的に 0.5A程度の大電流を流して安定化させる。この操作をフォーミングと呼び,これにより順方向電流,逆方向耐圧ともに増し,特性が改善される。これは,フォーミングによりn型ゲルマニウムの針との接触点付近がp型となりp-n接合に近い状態ができたためと考えられる。構造が簡単で安価なので,検波,混合用の小信号用ダイオードとして用いられてきたが,衝撃により特性が影響を受けやすいなどの欠点があるため,設計性,信頼性,再現性の点ですぐれているショットキー・バリア・ダイオードに取って代られ,使用されていない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android