無くなす(読み)ナクナス

デジタル大辞泉 「無くなす」の意味・読み・例文・類語

なく‐な・す【無くなす/亡くなす】

[動サ五(四)]
(無くなす)
㋐ないようにする。無くす。失う。「ライターを―・す」「明るさを―・す」
㋑力のないものにする。ないがしろにする。
「いかでこの大将を―・してばや」〈栄花・花山尋ぬる中納言〉
(亡くなす)死なれて失う。亡くす。「両親を―・す」
[類語]失う遺失散逸滅失流失消失消滅消散忘失雲散霧散雲散霧消離散四散飛散立ち消え消える失せる散る失する無くなる無くす無くする喪失する亡失する紛失する落とす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「無くなす」の意味・読み・例文・類語

なく‐な・す【無なす・亡なす】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 ( 「無く為(な)す」の意 )
  2. ないようにする。失う。なくす。亡失する。
    1. [初出の実例]「露草にそめぬ衣のいかなればうつし心もなくなしつらん」(出典:和泉式部集(11C中)上)
  3. 勢力を奪い去る。ないがしろにする。失脚させる。
    1. [初出の実例]「いかでこの大将をなくなしてばやとぞ、御心にかかりて大殿はおぼしけれど」(出典:栄花物語(1028‐92頃)花山たづぬる中納言)
  4. 死なれることによって人を失う。なくす。
    1. [初出の実例]「人をなくなして、限りなく恋ひて」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)哀傷・一四二〇・詞書)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android