焼直(読み)やきなおす

精選版 日本国語大辞典 「焼直」の意味・読み・例文・類語

やき‐なお・す ‥なほす【焼直】

〘他サ五(四)〙
一度焼いたものをまた焼く。焼き返す。
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)初「『ドレやきなをしてしんぜますべい』とけしずみの火をかきさがし」
従来あったものに手を入れて少し作り変える。自分旧作他人作品を作り変えて、新しいもののように見せて発表する。
談義本・地獄楽日記(1755)三「鬼の黒風が、小町の歌をやき直(ナホ)して」
③ 訓練して鍛えなおす。たたきなおす。
譬喩尽(1786)五「焼直(ヤキナヲ)さねば直らぬ根性

やき‐なおし ‥なほし【焼直】

〘名〙
① 焼きなおすこと。もう一度焼くこと。また、そのもの。
② もう一度同じようなことを繰り返すこと。特に、すでに発表された他人の作品や自分の古い作品を表面だけ少し変え、別の作品のようにみせかけて発表すること。また、その作品。
※俳諧・鷹筑波(1638)五「夕たちのはれて曇ややきなをし〈重方〉」
戯作三昧(1917)〈芥川龍之介〉四「馬琴なんぞの書くものは、みんなありゃ焼直(ヤキナホ)しでげす」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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