熱田郷(読み)あつたごう

日本歴史地名大系 「熱田郷」の解説

熱田郷
あつたごう

和名抄」高山寺本に「熱田」、東急本・元和古活字本に「厚田」と記し、いずれも訓を欠く。

この「あつた」の表記についてみれば、「日本書紀」には、神代上、第八段(一書第二)素戔嗚尊の八岐大蛇退治伝承のなかに「是を草薙剣と号く。此は今、尾張国の吾湯市村に在す。即ち熱田の祝部の掌りまつる神是なり」といった記載があり、「熱田」の文字をみることができる。すなわち草薙剣は、尾張国吾湯市あゆち村にあり、これが熱田の祝部が奉祀する神であるというのである。また、景行天皇紀五一年条には、草薙剣に関して、「初め、日本武尊の佩せる草薙横刀は、是今、尾張国の年魚市郡の熱田社に在り」の記事があり、ここでは、日本武尊の所持していた草薙剣は、尾張国年魚市あゆち郡の熱田社にあると述べている。天武天皇紀朱鳥元年(六八六)六月己巳朔戊寅条には、「天皇の病を卜ふに、草薙剣に祟れり。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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