燃出(読み)もえいず

精選版 日本国語大辞典 「燃出」の意味・読み・例文・類語

もえ‐い・ず ‥いづ【燃出】

〘自ダ下二〙
① 燃え始める。燃えて外にあらわれる。
太平記(14C後)一一相互に寄近付んとする処に、猛火俄に燃出(モヘい)て」
感情などが炎が燃えるように激しく生じる。恋の思いがはげしくふすぼる。
多武峰少将物語(10C中)「つねにおもひを たきものの ひとりひとりも もえいでなまし」
③ 鮮やかな色彩などが、はなやかな感じであらわれる。
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉五「只襟元より燃(モ)え出(イ)づる何の模様半襟かが、すぐ甲野さんの眼に着いた」

もえ‐だ・す【燃出】

〘自サ五(四)〙
① もえはじめる。
滑稽本和合人(1823‐44)初「川の中からピラピラと火が燃え出(ダ)したらう」
② 感情がたかまりはじめる。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「不図(ふと)又文三の言葉尻から燃出して以前にも立優る火勢

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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