父系制社会(読み)ふけいせいしゃかい

山川 世界史小辞典 改訂新版 「父系制社会」の解説

父系制社会(ふけいせいしゃかい)

血筋父方にのみたどる父系出自規制にもとづく社会。これに嫁入婚(よめいりこん),父系の財産相続などをあわせて父権制と呼ぶことがある。父系制社会は人類が必ず通過する必然的な発展段階ではなく,また文化圏説における父権牧畜民文化圏や父権トーテミズム高級狩猟民文化圏という考えは,今日支持されていない。また,どこでも父系制社会の前は母系制社会だったという考えも支持されない。

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旺文社世界史事典 三訂版 「父系制社会」の解説

父系制社会
ふけいせいしゃかい

父方の系統を通して血縁関係がたどられる社会
この社会では,ある男の息子 (むすこ) や娘 (むすめ) や,息子の子ども血縁とされるが,娘の子どもは血縁とされない。国家が形成される以前の部族社会の段階において,部族が拡大しながら成長する過程で成立したと考えられる。

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