版本・板本(読み)はんぽん

精選版 日本国語大辞典 「版本・板本」の意味・読み・例文・類語

はん‐ぽん【版本・板本】

〘名〙 版木を彫って、それで印刷した書物。技法上は、一枚の板に彫りつける整版と活字を組んでいく活字版がある。木版本。⇔書本(かきほん)
※わらんべ草(1660)二「当世は、はん本おほくあり」 〔宋史‐邢昺伝〕
[補注](1)日本での最古の版本は、宝亀元年(七七〇)の「百万塔陀羅尼」とされているが、以後院政期から鎌倉期に及ぶ興福寺の春日版、その後の高野版、五山版など、寺院での開版が盛んであった。
(2)中世末以後、京都・奈良・堺などで寺院以外、仏書以外での開版も行なわれるようになり、近世初頭には、一時木活字版が全盛となったが、寛永期以後は、整版が一般的になった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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